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ゴムの基礎知識

シリコーンゴムとラバーキャスト

まだまだ暑いですな。こうも暑いと外に出かけるのもはばかれますが
そもそも、世の中はコロナで外出がはばかられる状況ですから、巣ごもりするしかないないのでしょうか?レジャーなんかは全滅なんでしょうか?
たしかに今年は海水浴場もクローズされているところが多く、身近なところでは、大阪の二色の浜海水浴場なんかも開設されず、例年はビキニの女子高生であふれているのですが海水浴場エリアの設定すらされず、人出も例年の1/4~1/3ぐらいという感じです。
そんな中で釣り(フィッシング)は活況らしいです。当社のお客様で釣りの疑似餌(ルアー)でメタルキャストのメーカーであるセカンドステージさん(http://secondstage01.com/)にお聞きすると、さすがに自粛要請期間の4月は先行きが不透明だったそうですが、自粛が明けて以降は比較的いい感じで釣り具市場は動いているそうです。

たしかアウトドアで海際では密になりようもありませんし、あまり騒々しく行うスポーツでもないし、何といっても解放感あふれてのんびりリラックスできるとなれば、今のご時世にぴったりのスポーツ・レジャーかもしれません。

さて、メタルジグと言えば、金属製の疑似餌(ルアー)ですが、そのセカンドステージ様とゴム屋の弊社にどんな関係があるのか?それがタイトルにあるラバーキャストです。

皆さん、ラバーキャストって言われても初めてお聞きになる人がほとんどでしょう。
ラバー:ゴム
キャスト:型にとる。鋳造する。
つまり、鋳造の一手法で、溶けた金属を型に流し込んで製品を作るのですが
その型にゴムを利用した手法がラバーキャストです。
よくアクセサリーなどの製造にも使用されるようですね。

と言っても、わたしもセカンドステージの中村社長にお問合せをいただくまで
まったくといってよいほど、このような用途にゴムを使用されているのを知りませんでした。

ラバーキャストでの金属製品製造方法は、円形の未加硫ゴムに製造したいもの(セカンドステージ様の場合は、ジグ(ルアー)の原型モデル)を押し付けるなどして、原型を転写します。
その後、そのゴムに加熱して硬化(架橋)させれば、ゴム型の完成です。
原型と同じ空間がゴムの中にできたことになります。
ゴム型は円の中心部に穴が開いており、その穴から製品本体に向かって、材料の通り道が彫ってあります。

さて、実際の製造ですが、このゴム型を遠心分離器にセットして、高速回転します。
そして、中心の穴部分に溶けた金属を流し込みます。すると遠心力で溶けた金属が製品の形に充填され、冷えれば製品の出来上がりというわけです。

さて、その型に使用されているいるのが弊社が得意とするシリコーンゴムというわけです。
たしかにシリコーンゴムは一般的に他のゴムに比べてダントツに熱に強い素材ですし、他のゴムよりも未加硫段階で柔らかいので、まさにこの用途にうってつけの素材と言えるでしょう。

この案件は弊社のHPをご覧になられたセカンドステージ/中村社長からご連絡を頂いたことで始まりました。
というのも、現在ラバーキャスト用材料はアメリカ製か中国製が主流ですが、ロットがそれなりに大きいのと、素材に対して、なんらリクエストを聞いてもらえないということに中村社長は問題を感じておられて、同じような材料を国内で調達できないかとという思いからご相談をいただいたわけです。

聞けば、溶けた金属の温度は300~400℃とのことで、さすがに熱に強いシリコーンゴムでもこの温度ではなかなか耐えられないと思います。実際に中国品では製造した金型は200回ぐらい使用するとひび割れて、また最初の型作りから必要となるとのことでした。中村社長からはその耐久性をもっと上げれないかというポイントと小ロット対応の2点をご相談頂きました。

そこで、何度かテストと打ち合わせを重ねて、耐熱性向上とコストとを両立させたラバーキャスト用素材の開発に成功しました。
実際にセカンドステージ様でお使いいただいていますが、価格面についてはアメリカ製素材の約1.3倍、中国製品の2倍ぐらいと高価格ではあるのですが、それらの海外製品が200~300回使用すると上述のようにひび割れて使えなくなるのに対して、弊社のラバーキャスト用材料では1,000回使用しても問題なく使用できるとのことです。
材料の価格差を覆すだけでなく、型製造の手間を考えれば大きなメリットがあることは間違いありません。

当社としても、まったく知らなかったジャンルでシリコーンゴムが使用されているのを教えていただいて、また、その用途にご満足いただける商品を開発できたことは興味深い事例ですし、非常にセカンドステージ/中村社長に感謝しています。

ということで、弊社ではこのようにセカンドステージ様と共同開発したラバーキャスト用シリコンゴムを一般にも広く販売しております。
もしご興味のある方は、どうぞお問い合わせをよろしくお願いします。

ただし、釣り具関係業界の方には、セカンドステージ様を代理店として販売させていただいておりますので、そちらの方は、セカンドステージ様までお問い合わせ下さい。
セカンドステージ様では、単に材料販売だけではなく、型製造から鋳造までのアドバイスも頂けると思いますよ。

また。今回の事例のように、弊社ではゴムと新しい用途の出会いを求めております。
なにか少しでもご相談いただけることがあれば、お気軽にお問い合わせをお待ちしております。

ラバーキャスト用シリコーンゴム問合せ先
一般:山森商事株式会社:info@e4-rubber.com
釣り具関係:セカンドステージ:http://secondstage01.com

その他のお問い合わせも山森商事株式会社:info@e4-rubber.comまでお待ちしております。

シリコーンゴムと消毒について&抗菌機能付与について

この数か月間、新型コロナウイルスのせいで、本当に世の中ががらりと変わりましたね。
大阪も本当に街中での人が少なくなりました。一般的に自由人で全員が血液型Bちゃうか?と言われている大阪人がこの緊急時に一致団結してルールを守っているのは意外でした。それとほとんどの人がマスクをするようになりましたし、家の中や事務所に入る時はまず消毒!。これがほとんど習慣となりましたね。私自身もこの3カ月でこれまでの人生でやってきたのと同じ回数ぐらいの手洗いと消毒をやったような気がします。

さて今回は、上記の点をふまえて、シリコーンゴムと消毒ならびに抗菌機能についてお伝えしましょう。

哺乳瓶の乳首をはじめ赤ちゃんのトレーニングマグカップの吸い口や調理器具まで口に直接接するものから食品にかかわるものまでシリコーンゴムは使用されています。
シリコーンゴムは比較的不活性で、生体にも安全な素材なので当然の用途と言えますね。
当然ながら清潔な状態で使用したいものですよね。
では、消毒薬を使用することはどうなのでしょうか?
ゴムなどの高分子材料がある薬品等に対して破壊されないか?膨潤(ふくらんでぶよぶよになって使用できなくなること)しないか?劣化が極端に進まないかというのは材料の使用時にはとても重要な要素です。このような状態が起きないことを薬品等に対して耐性があると表現します。

さて今回の消毒の件で一般的に良く使用されているエチルアルコール(エタノール)へのゴムの耐性を見てみましょう。
各種資料で微妙な違いがありますが、天然ゴムやSBRなどのジエン系ゴムはアルコールは使用可能ですね。ただし、NBRだけは×です。油に強いNBRがアルコールに弱いのはちょっとビックリでした。その他ではウレタンゴムも△~×といった感じです。
さて、肝心のシリコーンゴムですがエチルアルコールへの耐性は△~×!基本的に使用不可となっています。おもに膨潤(体積が膨らむ)するようですね。信越化学の資料によると50℃のアルコールに168時間浸漬すると15%膨らむということです。一般的に耐溶剤性、耐薬品性に優れているといわれているシリコーンゴムがエタノールに弱いとは、これもまたちょっとびっくりです。
まぁ、50℃という、あつ燗のような温度のアルコールに168時間(=7日間)消毒のためにつけっぱなしにする状況など想定しづらいですが、もしシリコーンゴム製の製品をアルコールで消毒する場合は、どぶ付けは基本的に避けて、アルコールを塗布したのち殺菌効果が得られる時間(5~10分?)後に水洗いするのが良いでしょう。
むしろシリコーンゴムは熱に強いので、熱湯での消毒の方が向いているでしょうね。

次にアルコール不足でその代替品として取りざたされている次亜塩素酸水ですが、こちらの方は現時点であまり資料がそろっていないですね。シリコンゴムでの試験はやっていないようです。天然ゴムは耐性があるようですが・・・。これは基本的に弱酸性のようですから、そんなにシリコンゴムが弱いとは思えませんが、何といっても試験結果がないので、もし次亜塩素酸水で消毒した場合も上記と同じく一定時間放置後、水洗いをすることをお勧めします。なお、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは全く別の物ですから気を付けて下さいね。間違っても次亜塩素酸ナトリウムを水に溶かして使用してはいけませんよ!

さて、最後に抗菌性です。このところのコロナ騒動で抗菌性能にも興味を持たれている方が多いようで、先週だけでも3件抗菌シリコーンゴムに関するお問い合わせを頂きました。
最初に結論から申しますとシリコーンゴムそのものには抗菌機能はないと思われます。
しかし、抗菌剤を練りこむことで素材そのものに抗菌性を持たせることは可能です。
当社でも常に使用している抗菌剤(富士ケミカル様のバクテキラー)がありますし、その他のメーカーの抗菌剤も取り寄せ可能です。また、お客様から支給いただいた抗菌剤を練りこんだ抗菌シリコーンゴムの制作も可能です。抗菌剤メーカーである富士ケミカル株式会社様とも直接相談できる関係にありますので、こと抗菌に関しては色々なご相談をお伺いすることができますよ。
抗菌性シリコーンゴムにご興味のあるかた、その他の抗菌合成ゴムに興味のある方もぜひ弊社までお問い合わせをお待ちしております。

それでは、皆様コロナに気を付けて、どうぞご自愛ください。。。

ゴムがびしょびしょに!(ブリードとは)

前回の最後に予告していましたが、今回はブルームに似た現象であるブリードについてお伝えします。
ブリード(bleed)またはブリーディングとも言うようですね。
ネットでブリードと検索すると最初に出てくるのは”breed”。これはわんこやにゃんこのブリーダーなどで使われる言葉で動物が子を産むことや繁殖を意味しますが、当然これではないです。

bleedとは
”出血する、血を流す、死ぬ、(…に)ひどく痛む、樹液を出す、にじむ、(…に)法外な金をしぼられる”(webio辞書より)
そう、この”にじむ”の部分がこの現象を端的に表しています。
ゴム業界(樹脂業界)で使用されるときの意味合いは
「ブリーディング:プラスチック製品の表面にその主成分であるポリマーと異質の構成物質が滲出してくる現象をいう」(出典:ポリマー辞典)。
「着色剤、可塑剤、滑剤が吹き出たりブロッキング防止剤(くっつくのを防ぐ薬品ですね)が表面にしみ出したりした場合に使う」ともあります。
要は主成分のポリマーと相性が良くない液体成分が、成型後じわじわと表面ににじみ出てくる現象をいうわけですね。
ゴムの場合では表面に滲んでくるのは油分や可塑剤が中心でしょう。
ブリードが発生する製品は、成型直後の製品表面は乾いた状態なのですが、時間の経過とともに、じわじわと中から液体状のものがにじみ出てきて表面が濡れたようになってきます。ひどいものだと、絞ったみたいに水滴のようについている場合も。
ブルームが粉が吹くのに対して、液体を吹くのがブリード。そういう違いがあるとお考え下さい。
ゴムの場合の原因として考えられている一つが、上記の様にポリマーと加えた液体(通常は液体状の軟化剤(=油や可塑剤))との相性が悪くてなじまないため成型後に表面ににじみ出てくる場合。次にとにかく液体の添加量が多すぎる場合。または混錬過程で十分に混錬できていないため分散不良が発生している(よくこなれていない)場合。多くは上記の3つの場合かその複数が組み合わさって発生するものです。
さて、ブリートはブルーム以上に製品への不具合として問題だと思うのですが、ゴム材料の中には意図的にブリードを発生させる素材もあります。シリコーンゴムでもメーカーが用意しているグレードで「オイルブリードグレード」というものがあります。
これはどのような目的でわざわざ油をにじませているのかというと、例えばゴムの成型物の穴の中に電線を通すなど製品組立てがある場合、ゴムの滑り止め的な性質が災いして、作業がすごくやりにくいケースがあるのです。そのようなときにその成型物をオイルブリード材料にするとゴムの表面に油の膜ができているので、するするっと線が貫通できて、非常に作業がやりやすくなると!そういう滑りを良くするという効果を狙ったものなのですね。
弊社でも、シリコーンメーカーのオイルブリードグレードはもちろん扱っていますし、自社オリジナルのオイルブリード素材もご用意してます。ご興味なる方は、ぜひご連絡をお待ちしております。
なおシリコーンゴムに滑り性を要求されるお客様から「じゃオイルブリードにしたら、滑るゴムになるやん!」というご希望をたまにいただくのですが、問題が2点ほど。
ひとつは滑るといっても油が滲んでいるのでべたべたしていること。もう一つは、中に練りこんだ油が表面に出てきているので、いつかはその油も尽きてしまうという点です。長期間安定的に滑り性を維持することは難しいのです。
滑るシリコーンゴムには別のアプローチが必要ですね。
いくつか滑るシリコンゴムの候補はご用意してますが・・・・・

新春なので華やかなネタを(ブルームって?)

気が付けば、平成から令和に時代が移ろい、それどころか令和も二年。
その間ずいぶんブログをさぼってしまいました。
というわけで、久しぶりのブログですが、一応新春一回目ということもあるので
新春らしい華やかなネタで!
ということで、今日取り上げるゴム関係のキーワードは「ブルーム」です。

日常生活でブルームって言葉を使うことはあまりないのではないでしょうか?
ビジネスマンの方なら「ブルームバーグ」という会社の名前は聞いたことがあるかもしれません。

しかし、ゴム業界では頻繁に使われる言葉です。
そもそもブルーム(bloom)の単語の意味としては

(特に 観賞用植物の)花、(特定の植物・場所・シーズンの)花、開花(期)、花盛り、真っ盛り、(ほおの)ばら色、輝き、健康色、新鮮味、清純さ
(webio辞書より)
blooming:花の咲いた、花盛りの
ほら、華やかで新年にふさわしいでしょ?

ではゴムに関して使われるブルーム(ブルーミング)とは・・・
「未加硫あるいは加硫ゴム製品中の配合剤が内部から移動して表面に析出し、表面を被覆する現象を言う。イオウ、パラフィン、ステアリン酸、ある種の老化防止剤などはブルーミングしやすい」(出典:ポリマー辞典)
要はゴム製品の表面に白い粉が吹いてくる現象のことです。
きっと、黒いゴムの表面に花が咲いたように、粉を吹くことからブルームと言われたのではないでしょうか?ものの本には顕微鏡でみた姿が花が咲いたようだとのことですが、
実際に見ると花というより、カビがびっしりと生えたような感じです。
見た感じはちょっと気持ち悪いし、「大丈夫これ?なんかおかしくなってるんじゃないの?」って感じがしますよね。

上記にあるように、ブルームはゴム内に含まれる成分が固形化し、それがゴム表面に移動して固形物として析出したものです。子供のころに、車のタイヤは側面が真っ白になっているのを見た記憶があるのですが、それもブルームだったのでしょう(もう、40年以上前でしょうが)
では、ゴムに取って、ブルームは悪いことなのでしょうか?
実は見た目には悪いブルームですが、ゴムにとってはそんなに悪いことではありません。
一般的にブルームの原因物質は、老化防止剤などゴムの劣化を防ぐ成分であると言われています。これらの老化防止剤のうち、酸素やオゾン、日光などの原因に対する劣化防止剤はゴムの表面で有効に機能するため、内部の老化防止剤が外部に移動しないと効果的に機能しないのです。つまりブルームはよって、ゴムは表面をコーティングしてゴム本体を保護しているとも言えます。よって老化防止剤を添加する以上、ある程度のブルームは必要悪といえるでしょう。
しかし、ゴムを成型から2週間程度で表面に真っ白になるほどブルームするのは、やはりなにか異常です。例えば、ゴム製品の原料である練り生地が十分に練られておらず老化防止剤が均質になっていない場合(分散不良といいます)や成型が十分になされていない場合など、通常以上にブルームするケースもあります。このような場合は不良の一種と考えてもいいのではないでしょう。
ちなみにシリコンゴムはブルームをしたという事例をほとんど聞いたことがありません。
そもそも劣化に強いシリコンゴムですから、老化防止剤なども添加されていませんし、なにも加えられてなければ粉を吹く要因もないというわけです。

さて、ゴム業界にはブルームに良く似た言葉で「ブリード」という言葉もあります。
その中身は・・・・・  (次回に続く)

「このゴム、塩ビって言いますねん」

今回はちょっと横道にそれて、塩ビ(PVC)の話。
先日、あるお客様から製品の件でご相談を頂きました。
金型ごと移管するので、今まで使用していた製品を作ってほしいと。
で、お客様に、ゴムの種類についてお聞きしたところ、こんな回答が・・・
「実物はこれですわ。ゴムなんですけど、塩ビっていいますねん」
・・・・・

塩ビはゴムではありません。

しかし、塩ビは樹脂の中でもゴムに非常に似ています。
塩ビ(塩化ビニール樹脂:polyvinyl chloride 略してPVC)は
柔らかいし、雰囲気がゴムにとてもよく似ています。
マニアックに類似点を語ると塩ビにも配合があることです。
通常の樹脂は、単体で使用することが多く、たまに充填剤(コストダウンのための増量材やなにか目的のために比重を上げるために使用)を添加するケースがある程度です。

しかし、塩ビ特に軟質塩ビ(やわらかい塩ビ)は必ず配合をして、練る工程があるのです。
この部分が非常にゴムに似ています。

塩ビの樹脂に、硬度が上がる充填剤、そして柔らかくするための可塑剤、それに安定剤などを混ぜて練ります。その工程はほとんどゴムと同じです。
ちなみに、塩ビに使用する可塑剤はNBR(ニトリル・ブタジエン・ラバー)
にも使用されます。

では、塩ビとゴムの違いは???

ま、まったく違うんですが、以前も書いたように
塩ビは熱可塑性樹脂。ゴムは熱硬化性樹脂。これですかね?
塩ビは熱をかけると溶けちゃいます。

とにかく最初に書いたように、
この手の誤解をされている人も多くいらっしゃいます。
ま、当社は樹脂もゴムも扱ってるので、どっちも対応できますがね。

しかし、一時期の塩ビバッシングはひどいもんでしたね。
ダイオキシンとか、環境ホルモンとか。
かなり非科学的な部分や処理技術の未熟さ故という話も聞いています。
当時アメリカなんかでは、変わらず使い続けられてましたからね。

良い樹脂なんですがね~、塩ビ。

耐候性もいいし、接着性もいい。配合次第で色々カスタマイズできるし、
安価で、再利用も(ある程度は)効く。

なんか、もったいない話ですね。

というわけで、塩ビはゴムではありません。

ゴムには配合がつきもの

いままで、ゴムの特徴を色々と書いてきました。
・熱硬化。
・ゴム弾性。
・プラスチックとの違い。
・耐熱に関する考え方。

そして、ゴムらしい特徴としてあげておく必要がある、特徴を思いつきました。

それは、、、、
「ゴムには配合がある!」

正確には配合はゴムだけのものではないのですが、ゴムには配合が必須です。
では、配合とは?

goo国語辞典によると
【配合】
・二つ以上のものを組み合わせること。混ぜ合わせること。

また、私の虎の巻、ポリマー辞典によると配合という言葉が
あまりに一般的な言葉であるためか、そのままの言葉では掲載がありませんでした。
一番近いところでは
【配合ゴム(compounded rubber)】
・原料ゴムに各種の配合剤を混合したもので、一般的には未加硫状態のものをいう。

たしかに配合という言葉は薬なんかでよく使用される言葉です。
実際、私たちが調合とかでも使う意味に近いのでしょうか?

プラスチックなどは単一物質として原料がそのまま使用できる場合がほとんどですが、
ゴムは違います。
ゴムの中心的な物質であるゴムポリマーでも、メーカーから出荷された状態の物体ではゴム弾性も強度もない、ただの中途半端にから柔らかい物質です。
よって、そのゴムポリマーを熱硬化反応によって、ゴム弾性を得るための薬品が必要です。
また目的の強度を得るために補強材の添加が必要ですし、目的の硬度を得るために
充填材など硬度アップ要因の素材とオイルなど硬度ダウンの素材の組み合わせで調整する必要があります。
以上のように、ゴムがゴムとして成立するためには。ゴムの本質であるポリマーだけではなく、必ず複数の材料を混合した複合体であることが必要なのです。
そして、それを均等に分散する様に混ぜる工程が必要です。
それが”練り”または”混錬”と言われる工程です。

この辺りも何となく、関西の粉もんに似ています。
お好み焼きも出汁に小麦粉、卵、それにキャベツの千切り、天かす、乾燥エビ、イカ天大王etc・・・いろんなものを混ぜて、鉄板の上で熱をかけて、硬化させます。

そういや、お好み焼きもゴムも、固まる前の状態のものは”生地”っていうなぁ・・・・

じゃ、エラストマーって?

さて、ゴムに関する豆知識の続き・・・
いままでは、プラスチックとゴムは親戚みたいなものだけど
全然違う(むしろ真逆?)っていうお話をしてきました。
堅物のプラスチック。そのくせ熱が入るとすぐゆるゆるになる。
柔軟なゴム。でも熱で固まるから、多少の熱には強いですよ。
う~ん・・・酒席での酒癖みたいな感じですな。

ところで、ゴムでもプラスチック(樹脂)でもない「エラストマー」って言葉を
聞いたことありませんか?
最近は通販カタログや生協のちらしなんかでも素材表記のところによく登場しますよね。
じゃ、エラストマーって何なの?
これがまた微妙に定義がゆるゆる。

まずエラストマーの定義には広義のエラストマーと狭義のエラストマーがあることを
覚えておいてください。
広義のエラストマーとは!

私の虎の巻の「ポリマー辞典」(大成社)によると・・・
エラストマー(elastomer)
一般にゴム類のような弾性が顕著な材料をいう。
プラスチックのことをこれの対比上プラストマー(plastomaer)ということがある。

これはどちらかというと広義のエラストマーの定義だと思います。
この定義によるとゴムなんかもエラストマーに入ることになります。

一方、カタログなどに表記されているエラストマーとは狭義のエラストマーを指す場合が
多いと思います。いわゆるその製品の原料を指し示す言葉に使用されています。
そして、ご存じないでしょうが、その原料の袋には、材料名として主に2種類の表記のどちらかが書いてあります。

TPE または TPR です。

その意味は・・・
TPE=ThermoPlastic Elastomer =熱可塑性エラストマー
TPE=ThermoPlastic Rubber =熱可塑性ゴム(ラバー)
これはどちらも同じ種類の物質を指し示す言葉ですが、2種類の呼び名のどちらかで書かれていることが多いのです。

そして、この熱可塑性ってとこがポイントです。
プラスチックのところでも書きましたが、
熱可塑性=熱をかけると柔らかくなる。冷やすと固まる。
その部分はプラスチックと全く同じです。
でも素材としてはゴムのような弾性を持っているからエラストマーまたはラバーという
言葉が入っています。
そう、TPE/TPRはプラスチックとゴムのあいのこみたいな素材なのです。

具体的には、プラスチックのように射出成型で熱をかけてドロドロに溶かした材料を
冷やした金型に注入。冷やして固めてから金型から取り出します。
そして、素材はゴムのように柔らかく弾力がある。
そういう素材がエラストマーなのです。
ですから、エラストマー製品はどちらかというとプラスチック成型業者で製造しています。

エラストマーは以上のような性質から
プラスチックのメリットとデメリットを併せ持つことになります。
<メリット>
・成型サイクルが速い=製品単価が安い
・バリや不良品が再利用できる

<デメリット>
・金型費用が高い
・特注品は基本的にない(小ロットで要求物性に合わせた素材の開発は難しい)
・ゴムほどの柔軟性はない。
・耐熱性が低い

というところでしょうか。

まぁ、とにかく
エラストマーはゴムとプラスチックのハーフと覚えておいてくださいね。

ん?ややこしい?
弊社は材料屋さんなので、ゴムもエラストマーも両方取り扱ってますよ!
そして、当然製造担当できるパートナー企業も両方ありますので!

もし、ややこしいなら弊社にご相談を!

ゴムの耐熱温度って????

いままで、何度もいろんなお客様にご質問いただいて
いつも返事に困る質問。それが「このゴムの耐熱温度は何度ですか?」

う~む。なんて答えてよいのやら・・・
多分プラスチックの世界では常識なのでしょう。
プラスチックの業界の方は平気でこのように聞いてこられます。
しかし、多分これもプラスチックとゴムの違いによって
ゴムでは何ともお答えしにくくなるのです。

というのもプラスチック(熱可塑性樹脂)の場合は、ずばり耐熱温度または
使用可能温度域(使用可能温度の上限)がはっきりします。
なぜなら、熱をかけると柔らかくなる樹脂の場合は
融点(樹脂が固体から液体に変化する温度)や軟化点(樹脂が柔らかくなる(徐々に液体になる)温度)が明確に定義できるのです。つまり、その温度以上では固体としての形状を維持できないためその温度が耐熱温度、使用可能温度の上限になるわけです。

しかし、ゴムは燃えることはあっても、プラスチックのように熱で短時間に溶けることはありません。熱硬化型の高分子であるゴムは熱にも強いのです。
しかし、ゴムは熱が加わっている状況に長い時間放置すると劣化します。
徐々に硬くなったり、柔らかくなったり、伸びなくなったり、すぐ切れたり。
(これらの試験は熱老化試験ともいわれます)。人間もゴムも老いると徐々に柔軟性や張りがなくなるようです・・・・
ですから、ゴムの場合、例えば250℃の環境下にゴムを72時間とか置いておいて
どれだけ劣化したかを耐熱性の指標としています。
ゴムはすぐに溶けないけど、熱をかければ間違いなく劣化する。
使用希望温度域で連続使用した場合にその劣化の度合いがユーザーとして、そのゴムの性能として許容できるのかどうか?!そこがゴムの耐熱性を図る判断基準であるのです。
プラスチックの様に「この温度以上はあたしはもう固体じゃいられないの・・・」
というものでないだけに、「○○度まで耐えれます」とお答えできないわけです。
むしろゴムは、身をすり減らしながら厳しい温度に耐える(本当の意味での耐熱ですな)
生活をしていて、ある日突然死を迎える・・・そんな感じでしょうか。

ですから、これをお読みの皆さん、どうかもう「ゴムの耐熱温度は何度ですか?」
って聞かないでくださいね。。。

ゴムとプラスチックの違い(その3)

さて、いよいよプラスチックです。
これはゴムと同じく高分子材料でその多くが日本語で熱可塑性合成樹脂といわれます。
一番のポイントは熱可塑性という部分です。
これまでお伝えしていたように、ゴムは熱硬化性という加熱することで発生する化学反応で硬化します。
一方、多くのプラスチックが有する熱可塑性という性質は熱を加えると柔らかくなり、

冷やすと固まるという物理的変化を表しています。
つまりプラスチックを硬化させるのは鉄と同じく熱をかけて柔らかくして、

冷やして固めるということなのです(ただし、一部にはフェノール樹脂のように熱硬化性樹脂もあります)。
この違いがゴム製品とプラスチック製品の製造方法で大きな違いとなっています。
これまで書いてきたようにゴムは熱した金型に未硬化ゴム材料(未加硫生地といいますが)を充填して、

熱をかけることで金型の形に硬化させます(これを焼くと表現します)。
一方、プラスチック製品では素材をまずスクリューやヒーターなどで熱をかけ、

どろどろの状態にした後冷やした金型に注入し、その金型の形に冷やすことで金型の形の製品を作ります。
例えるならば、ゴムはタイヤキなどの粉もの。プラスチックはゼリーというところでしょうか?
タイヤキの生地は、金型の外側の部分(バリ)も熱がかかって、焼けて (固まって)しまい、

一旦焼けるともう元の生地には戻らないですよね。また時間をかけないと生焼けで固まっていないこともあります。
一方、セリーは一度固まっても、もう一度熱をかけるとどろどろになって、

それ違う型に入れなおして冷やせば、また違う形のゼリーになります。また、冷やすスピードを上げれば、早く形になります。
ゴム製品とプラスチック製品の製造方法もこの「たい焼き」と「ゼリー」と同じイメージです。

ゴムは熱を加えることで硬化します。そして、その化学反応がおこるための時間が必要です。またバリや不良品を出すと元には戻りません。
一方プラスチックは冷やして固めるだけなので、比較的高速に成形できます。また、バリや不良品は粉砕などして細かくすれば、再度原料として利用可能です。
このようなプラスチックとゴムでの違いから、コスト面でも大きな違いが発生します。
一般的にゴムの製品についてお見積もりするとプラスチック製品をよくご存知な方から
「ゴムって一日にそれだけしか生産できないの?!」「ゴム製品って高いよね!」
と言われるのは、この成型方法の違いによるものも大きな要因となっていると思われます。

ゴムとプラスチックの違い(その2)

なかなか続きがかけずにすいません。
といっても期待されてる方も少ないとは思いますが・・・・

さて、前回ゴムの特徴は

① ゴム弾性を持っている
② 熱硬化性である。

ではないかと、勝手に書いておりました。
で、今回はその続きです。

①ゴム弾性とは?
これは、ゴムのいわゆる伸びて戻る性能です。
ゴムは力を加えると変形し、その力を除くと元の形に戻ります。
その性質をゴム弾性といいます。また、そのような性能を持った
素材のことをゴム弾性体とも言います。
なんといっても、この性質がゴムのゴムたるゆえんと言ってもいいでしょう。

次に②熱硬化性。これは文字通り、熱で固まる(硬化する)性質のことです。
熱をかける前のゴム(生ゴムとも言います)は粘土のような感じで力を加えると変形しますが、力を除いても変形が戻りません。このような性質のことを可塑性といいます。
しかし、上記のようにゴムの一番の物理的な特性は伸びたら縮むこと。力をかけた結果、変形しても力を除去すれば元の形に戻ることです。
その物理的な特性を獲得させるために、型にはめて、うりゃうりゃと熱と圧力をかけると
化学変化を起こして硬化します(ここでいう「硬化」とは、硬さが上がることはもちろん、その型の形状に固定されることを意味します)。

そのような性質を熱硬化性といいます(もちろん樹脂(プラスチック)の中にもフェノール樹脂のように熱硬化性の樹脂もありますが)。
その結果、ゴムは粘土の様な物質ではなく、押したら変形するものの、力を除去すると元の形(金型で形状)に戻るような物質になるわけです。

それではプラスチックっていうのは?????

その内容は次回につづく。。。。
(引っ張ってすいません)