今回はちょっと横道にそれて、塩ビ(PVC)の話。
先日、あるお客様から製品の件でご相談を頂きました。
金型ごと移管するので、今まで使用していた製品を作ってほしいと。
で、お客様に、ゴムの種類についてお聞きしたところ、こんな回答が・・・
「実物はこれですわ。ゴムなんですけど、塩ビっていいますねん」
・・・・・
塩ビはゴムではありません。
しかし、塩ビは樹脂の中でもゴムに非常に似ています。
塩ビ(塩化ビニール樹脂:polyvinyl chloride 略してPVC)は
柔らかいし、雰囲気がゴムにとてもよく似ています。
マニアックに類似点を語ると塩ビにも配合があることです。
通常の樹脂は、単体で使用することが多く、たまに充填剤(コストダウンのための増量材やなにか目的のために比重を上げるために使用)を添加するケースがある程度です。
しかし、塩ビ特に軟質塩ビ(やわらかい塩ビ)は必ず配合をして、練る工程があるのです。
この部分が非常にゴムに似ています。
塩ビの樹脂に、硬度が上がる充填剤、そして柔らかくするための可塑剤、それに安定剤などを混ぜて練ります。その工程はほとんどゴムと同じです。
ちなみに、塩ビに使用する可塑剤はNBR(ニトリル・ブタジエン・ラバー)
にも使用されます。
では、塩ビとゴムの違いは???
ま、まったく違うんですが、以前も書いたように
塩ビは熱可塑性樹脂。ゴムは熱硬化性樹脂。これですかね?
塩ビは熱をかけると溶けちゃいます。
とにかく最初に書いたように、
この手の誤解をされている人も多くいらっしゃいます。
ま、当社は樹脂もゴムも扱ってるので、どっちも対応できますがね。
しかし、一時期の塩ビバッシングはひどいもんでしたね。
ダイオキシンとか、環境ホルモンとか。
かなり非科学的な部分や処理技術の未熟さ故という話も聞いています。
当時アメリカなんかでは、変わらず使い続けられてましたからね。
良い樹脂なんですがね~、塩ビ。
耐候性もいいし、接着性もいい。配合次第で色々カスタマイズできるし、
安価で、再利用も(ある程度は)効く。
なんか、もったいない話ですね。
というわけで、塩ビはゴムではありません。
勉強になります