さて、ゴムに関する豆知識の続き・・・
いままでは、プラスチックとゴムは親戚みたいなものだけど
全然違う(むしろ真逆?)っていうお話をしてきました。
堅物のプラスチック。そのくせ熱が入るとすぐゆるゆるになる。
柔軟なゴム。でも熱で固まるから、多少の熱には強いですよ。
う~ん・・・酒席での酒癖みたいな感じですな。
ところで、ゴムでもプラスチック(樹脂)でもない「エラストマー」って言葉を
聞いたことありませんか?
最近は通販カタログや生協のちらしなんかでも素材表記のところによく登場しますよね。
じゃ、エラストマーって何なの?
これがまた微妙に定義がゆるゆる。
まずエラストマーの定義には広義のエラストマーと狭義のエラストマーがあることを
覚えておいてください。
広義のエラストマーとは!
私の虎の巻の「ポリマー辞典」(大成社)によると・・・
エラストマー(elastomer)
一般にゴム類のような弾性が顕著な材料をいう。
プラスチックのことをこれの対比上プラストマー(plastomaer)ということがある。
これはどちらかというと広義のエラストマーの定義だと思います。
この定義によるとゴムなんかもエラストマーに入ることになります。
一方、カタログなどに表記されているエラストマーとは狭義のエラストマーを指す場合が
多いと思います。いわゆるその製品の原料を指し示す言葉に使用されています。
そして、ご存じないでしょうが、その原料の袋には、材料名として主に2種類の表記のどちらかが書いてあります。
TPE または TPR です。
その意味は・・・
TPE=ThermoPlastic Elastomer =熱可塑性エラストマー
TPE=ThermoPlastic Rubber =熱可塑性ゴム(ラバー)
これはどちらも同じ種類の物質を指し示す言葉ですが、2種類の呼び名のどちらかで書かれていることが多いのです。
そして、この熱可塑性ってとこがポイントです。
プラスチックのところでも書きましたが、
熱可塑性=熱をかけると柔らかくなる。冷やすと固まる。
その部分はプラスチックと全く同じです。
でも素材としてはゴムのような弾性を持っているからエラストマーまたはラバーという
言葉が入っています。
そう、TPE/TPRはプラスチックとゴムのあいのこみたいな素材なのです。
具体的には、プラスチックのように射出成型で熱をかけてドロドロに溶かした材料を
冷やした金型に注入。冷やして固めてから金型から取り出します。
そして、素材はゴムのように柔らかく弾力がある。
そういう素材がエラストマーなのです。
ですから、エラストマー製品はどちらかというとプラスチック成型業者で製造しています。
エラストマーは以上のような性質から
プラスチックのメリットとデメリットを併せ持つことになります。
<メリット>
・成型サイクルが速い=製品単価が安い
・バリや不良品が再利用できる
<デメリット>
・金型費用が高い
・特注品は基本的にない(小ロットで要求物性に合わせた素材の開発は難しい)
・ゴムほどの柔軟性はない。
・耐熱性が低い
というところでしょうか。
まぁ、とにかく
エラストマーはゴムとプラスチックのハーフと覚えておいてくださいね。
ん?ややこしい?
弊社は材料屋さんなので、ゴムもエラストマーも両方取り扱ってますよ!
そして、当然製造担当できるパートナー企業も両方ありますので!
もし、ややこしいなら弊社にご相談を!
参考になります。
ぜひブログ、主様のペースで続けてほしいです!